初めてお聞きになるかたも多いかもしれません。
このスケールは英国のブリストル大学で1997年に開発された世界的な「便」の基準を示すものです。
日本でも最近になり、病院での問診に多く利用されています。
医師は「便」の色や形からも患者さんの状態を判断することがあるためこのスケールは非常に医師に
伝えやすく、問診がスムーズにすすむわけです。
自分でチェックして、健康状態を把握するのにもとても便利です。
あなたの便はどのタイプですか?
- 1〜2:
- 腸内に停滞する時間が長く、便秘とされます。
- 3〜5:
- 正常な「便」、特に4は理想的な「便」だということが言えます。
英国の解釈ではソーセージ状となるわけですが、日本においてはバナナ状のほうが
浸透していますね。 - 6〜7:
- 下痢。先に硬い兎の糞状のものが出た後に、水便が出る場合は便秘と判断されます。
また、排便回数はあっても残便感がある場合も便秘とされます。
1の便が続いてしまうと排便にとても時間がかかり、切痔やイボ痔を引き起こすこともあります。
本来、トイレに座りするりと排便でき、なおかつ形状は4であることが理想的です。
健康な人の便は、80%が水分です。
残りの20%の中に、剥がれた腸の粘膜、食べ物のカス、生きている腸内細菌が含まれています。
乾燥させた便の、わずか1gの中になんと約1兆個もの腸内細菌が含まれています
理想的な便は、水分量が70%から80%でバナナのような形です。
水分量が、増えると半練状・泥状になりますが、半練状程度なら健康な便といえます。
水分が90%を超えると、水様便となり排便回数も増え下痢になります。
反対に、便の水分量が70%を下回ると便は固くなります。
腸内を進むのに、時間がかかってしまうと便の水分が腸に吸収されすぎてしまい、
更に進みが遅くなります。
この状態が便秘です。(ブリストルスケール図:タイプ1・2)
便の色は、胆汁によるものです。
胆汁そのものは緑色ですが、便の色はビリルビンという物質によるものです。
ビリルビンは、便の酸度によりアルカリ性なら黒っぽい茶色に、
酸性なら黄色っぽいオレンジ色になります。
腸内が、乳酸菌やビフィズス菌などが多く弱酸性に保たれていれば、便の色は黄色になります。
反対に、脂肪・肉類の多量摂取や腐敗菌が増えると、腸内がアルカリ性になり、
便の色が茶色から黒色になります。
健康状態の良い人の便は、決して臭くありません。
便や、おならに悪臭を感じるのであれば、腸内での腐敗がすすみ有害物質が作られています。
肉類をセーブして、食物繊維やオリゴ糖などの腸内細菌のエサを多くとると、
便の出方もスムーズになり、乳酸菌・ビフィズス菌が優勢になるため腐敗菌が増殖しにくくなります。
こうなると、便やおならの悪臭は軽減されます。
ブリストルスケールの図にはありませんが、白色・緑色の便が出たらすぐに検査を受けましょう。
膵臓がん・肝臓がん・胆石などが心配されます。
又、真っ黒な便も要注意です。
黒色になるのは、血液中の鉄分が酸化しているためで、
胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などが心配されます。
便に直接血が混じった「血便」が出た場合は、大腸トラブルを疑いましょう。
明るい鮮血は、直腸がんの心配もされます。
便の状態は健康をはかるバロメーターなのです。
生活面において、理想的な「便」を排出するために必要なことといえば、
もちろん、食事、睡眠時間の規則正しい生活を送ることが一番です。
また、毎日決まった時間にトイレへ行き便座に座る習慣をつけることや規則正しい睡眠の習慣を
つけることがとても有効なのです。
便秘の方には、食物繊維が大切だとですが、下痢症の方は逆に採りすぎに気をつけましょう。
コーヒーや辛いもの、香辛料の強いものも腸を刺激してしまうので採らないのが得策です。
自分でしかチェックできないことが大半であろう、あなたの「便」。
チェックする習慣をつけて、自分の腸の状態を知っておきましょう。